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ティファニーが名付け親?タンザナイトの魅力と買取相場

アフリカ大陸の中で最高峰であり、世界遺産にも登録されているタンザニア キリマンジャロ。その背景に浮かぶ、夕暮れの美しさを湛えると名高い宝石がタンザナイトです。確かに薄暮を思わせる深い青紫、見る角度によっては赤ともすみれ色とも言える様々な表情、透明度の高さは、アフリカ大陸の自然のような神秘を思わせます。

このタンザナイトを名付けたのは、世界屈指のジュエラー・ティファニーです。名付け親だけあり同社からはタンザナイトを使用した製品も多数ラインナップされてきました。そのため、所有したことがある方もいらっしゃるでしょう。

そんなタンザナイトとは、いったいどのような宝石なのでしょうか。

この記事では、タンザナイトの歴史や特徴、また、お売りいただく際の買取相場や買取店が見る査定ポイントを徹底解説いたします!

タンザナイト

1. タンザナイトとは?

① DATA

鉱物名:ゾイサイト
和名:灰簾石(かいれんせき)
色:青、藍、赤。多色性あり
モース硬度:6~7
劈開:あり
原産国:タンザニア
宝石言葉:高貴、冷静、空想など
誕生石:12月

② 歴史

タンザナイトは正式な鉱物名ではありません。ゾイサイトの一種で、ブルーゾイサイトと呼ばれます。

通常ゾイサイトはまだらがかった緑の、渋いカラーをしています。しかしながら生成過程でマンガンを含むとピンクに、バナジウムを含むと青紫のような美しい結晶となることがあります。

前者をチューライト、そして後者をタンザナイトと呼んで、人気の高いジュエリーとして用いられています。

このタンザナイトが見つかったのは比較的最近です。
1960年代、東アフリカに位置するタンザニアで青紫がかったゾイサイトが発見されたことに起因します。これまでのゾイサイトとは全く異なる美しい色味、そして見る角度によって表情を変える様(後述しますが、多色性と呼ぶ)が、大きな話題となりました。

当時ティファニーの社長であったヘンリー・B・プラット氏がこの美しいゾイサイトに目をつけ、自社ジュエリーとして大々的に売り出します。そのプロモーションの一環で、「タンザナイト」という名前がつけられることとなりました。タンザニア北東部にはかの有名なキリマンジャロがそびえ立ちますが、そこに浮かぶ夕暮れの色からインスピレーションを得たと言います。

このロマンチックな響き、そしてタンザナイトそのものの美しさから、ティファニー本社のあるアメリカで大ヒット。特に1990年代以降はアメリカで好景気が続き宝飾品需要が高まったことも、その人気に拍車をかけました。その人気がヨーロッパにも広がり、今なおタンザナイトは欧米を中心に親しまれる宝石となっています。

タンザナイトは、アルーシャという地区にあるメレラニ鉱山というところからしか採掘されない、と言われていました。しかしながらタンザナイトの産出量は比較的豊富で、1970年代~90年代頃は大振りで上質な原石も多く採掘されています。

しかしながら1998年、大洪水によってメレラニ鉱山が水没するという痛ましい事故が起こりました。
タンザナイトの産出が一時ストップし、一時期は相場を大きく上昇させます。
その後鉱山が再稼働し、また安定して流通するようになりましたが、近年産出量の減少が取沙汰されており、稀少価値が上がりつつあります。

なお、現在マダガスカルなどでもブルーゾイサイトが発見されていますが、タンザニアの名称を付けていいかどうかは賛否両論分かれています。

タンザナイト

③ 特徴

特徴は、なんといっても青紫の美しさ。近年発見された宝石の中でも群を抜いて非常にエキゾチックで神秘的で、シンハライト・ブラジリアナイトなどと並んで「20世紀の三大宝石」にも名を連ねます。

そしてもう一点、色味に関する特徴があります。それは、前述した多色性です。
多色性とは、見る角度(結晶方向)によってその石の色が違って見える性質を指します。

タンザナイトは、角度によって主に青、藍、赤、あるいはその融合色の色を楽しむことができるのです。

ちなみにアレキサンドライトもある条件下で色みを変えますが、この条件は光源による変色性。そのため光源問わず色を変えるタンザナイトの多色性とは異なる性質です。

とは言えタンザナイトも、光源によっても色を変えます。光に対する感度が高いためでしょう。太陽光の下では透明感ある群青色、白熱灯の下では紫、蛍光灯の下では青に輝く変化が見られます。アレキサンドライトほどの変化はないため、変色性があるとは言いません。

また、どの角度からどの色が見えるかは個体やカッティングによります。ただ、ファセットの角度がそれぞれ異なるため、上から見ると青・藍・赤三つが楽しめる、と言う方もいらっしゃいます。

その他の特徴としては、結晶構造が直方晶系(斜方晶系)で、劈開が完全にあるため割れやすいこと。また、硬度もそこまで高くはないので、欠けやすいことにあります。
そのため超音波洗浄の利用は厳禁で、ジュエリーもリングなど手元に着けるものよりネックレス形態が多くなります。

また、タンザナイトの色は非常に濃く、そのもので美しいため特別な処理は滅多に取り入れられません。
ただ、インクルージョンを取り除いたり青みを強くするため、ほとんどのタンザナイトは加熱処理が行われます。この加熱処理は鑑定書にも記されることが多いですが、一般的な処理の為、買取時など査定に影響することはありません。

タンザナイト
 

2. タンザナイトの買取相場

タンザナイトは現在のところ、比較的安定した量・価格で流通している状態ですが、どの鉱山でも採れるわけではないこと、また、枯渇が心配されていることから、稀少性への注目度が高くなりつつある宝石です。

また、もともと人気の高いジュエリーですので、買取相場は高め。
ハイグレード品質のルースであれば1カラット8,000円前後~、2カラットで3万円前後~、5カラット以上で15万円~。10カラットを超えると35万円程、が相場の目安となります。

グレードが下がると当然買取額も下がりますが、それでも5カラット以上で数万円~、10カラットを超えると十数万円の値付けがなされるものも。

後述しますが、人気ブランドやハイブランドのジュエリーはその分の付加価値がついて、さらに査定額がアップすることもございます。

・使っていないタンザナイトジュエリーがある。
・かなり使用感があるけど、こんなの売れる?
・どんなタンザナイトが高く売れるの?

そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度信頼できる買取店にご相談くださいませ。

3. タンザナイトの買取査定ポイント

買取相場の項でグレードのお話をいたしましたが、ダイヤモンドや貴金属と異なり、色石には明確な評価基準はありません。

しかしながらジュエリー買取のノウハウに長けたプロの鑑定士が、査定時にチェックするところがあります。

そんな査定ポイントをご紹介いたします!

なお、ジュエリー買取に特化していないお店や質屋だと、以下の点を見抜けず、タンザナイト本来の適性な価値を見落としてしまうかもしれません。

タンザナイトをお売りになる際は、ジュエリー専門の買取店に持ち込みましょう。また、色石はお店によって査定額が大きく異なるので、複数社に見積もりを取ることをお勧めいたします。

ポイント①カラー

最高グレードのものを、マジェスティック・タンザナイトと呼ぶことがあります。
タンザナイトの評価の多くは、第一に青紫が濃く美しいことが重要となります。

また、多色性が強いことも査定にはプラスのポイントです。かつてはヨーロッパなどで、多色性が少なく、サファイアに似たような色合いが好まれた時代がありましたが、今ではタンザナイトならではの多色性へのニーズが高まっています。

また、光源の影響を受けず、太陽光下でも濃い青紫を保つ石も高い価値を誇ります。

ポイント②インクルージョン

透明度は価値あるタンザナイトの特徴です。とは言えタンザナイトはもともと色が濃いためインクルージョンを肉眼で確認することは難しく、また、加熱処理されていることから、インクルージョンが目立ってしまう個体というのはジュエリーでは少ないでしょう。

一方で傷つきやすい性質があるため、表面に瑕疵があったり、エッジが欠けたり、内部にクラックが発生してしまっているものはマイナス査定の要因となります。

ポイント③カットとカラット

ダイヤモンドや他の宝石と同様、カラットは査定時に一番重要視される項目です。

カットは様々ですので査定額に大きく影響はしませんが、カラットに関しては、5カラット以上になると高額査定の一因となります。

タンザナイトは比較的大粒のものが産出しているため、ダイヤモンドほどはカラット数によって買取額が大幅上昇する、ということは少ないでしょう。しかし、高品質で10ct~30ctなどの大粒は当然高額で取引されます。

ポイント④ブランドやデザイナー、一緒に使われている貴金属

タンザナイトのルースではなく、ネックレスやブローチなどと言ったジュエリーの場合、大きく買取査定に影響を及ぼすのはブランドやデザイナーです。

例えば同じカラット・グレードであったとしても、ティファニーやカルティエ、ショーメなどといった人気のハイブランドの製品であれば、そのブランドの付加価値が査定に反映されることとなります。

ただし、ブランド価値はジュエリーとして再販できるコンディションの場合のみ。傷ついたり欠けたりしているタンザナイトジュエリーだと、素材の価値が査定対象となります。とは言えこういったハイブランドは、一緒に用いる土台の貴金属やダイヤモンド・その他各種宝石も上質で、素材だけでも大きな価値を持つケースが多いと言えるでしょう。

ポイント⑤鑑別書の有無

タンザナイトは1990年代以降、欧米を中心に一世を風靡し、その際にイミテーションや合成品が市場に多く出回るようになりました。

鑑別書はダイヤモンドの鑑定書と異なりグレードは記載されませんが、その宝石がどのような鉱物由来で、天然であるか・人工であるかを明記したものとなります。

鑑別書をお持ちでしたら、必ずタンザナイトと一緒に査定に出しましょう。

もし持っていない場合は、ジュエリーの知識・取り扱い経験が豊富な買取店に査定を依頼しましょう。

タンザナイト

 

4. まとめ

タンザナイトについてご紹介いたしました。

「キリマンジャロの夕暮れ」を彷彿とさせる、タンザナイトについてご紹介いたしました。

タンザナイトはその美しさ。見る角度によって表情を変える多色性。そして一部鉱山でしか産出しないと言う稀少性などから、世界中のジュエリー好きの心をわしづかみにしてきました。名付け親のティファニーはもちろんのこと、カルティエやショパール、ショーメ、ギメルなどと言ったハイブランドも製品ラインナップに加えており、人気のほどが伺えます。

そんなタンザナイト、売却をお考えでしたら、ぜひ一度ご相談ください!